や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

限りある人生だからこそ「邪聖剣ネクロマンサー」の攻略を断念する

PCエンジンminiが発売されてしばらく、今年のゴールデンウィークの前半は「邪聖剣ネクロマンサー」に費やした。地獄と称されるパスワード入力が不要となった今だからこそ、経験したかったのだ。

しかしながら、その他の仕様についてはDQII後DQIII前の時代における野心的すぎる仕様のままなので決して易しく、親しみやすいゲームではなかった。そして私は「邪聖剣ネクロマンサー」に時間を費やす心が折れた。その経緯を記していく。

ゲームスタートすると町に放り出されている主人公。道に沿っていくと城があるのでそこに入るのだが、人物と建物のサイズ感の違いに戸惑いを覚える。人物があまりデフォルメされていないのに建物がきっついデフォルメがかかっている故のアンバランスか。

王(の遺命を受けた誰だお前ら)からの依頼を受諾し、旅の仲間を選ぶ。このシステムは面白いし当時としても斬新だったと思う。ゲーム自体が楽しければ何度も楽しめただろうに。

事前知識のないまま開始したため、魔法使いっぽいライムと重戦士のバロンを選んだ。なんかDQIIのパーティっぽいし。主人公はサマルトリアの王子風。そんな軽い気持ちで選んだメンバーに仕様の罠。

本作は素早さのパラメータが行動順だけではなく命中率、回避率にシビアに影響するため、素早さの低いキャラは素早いキャラに比べ攻撃が当たりづらい。それでも序盤は大きな差にはならないので個性で済むのだが、先に進むと「トドメの一撃を外して手痛い反撃を食らう」というシチュエーションが多発し、イライラが募る。かと言って素早さの高いキャラで編成すると火力が低いので戦闘に時間がかかり、先に進むのに時間がかかる。なかなかハードなバランス。

移動もハードなバランスだ。何がハードって次の目的地までの道のりが分かりづらい。というか道がない。道がない森の中の街、砂漠の中の街を、自分が歩んでいる道は正しいのかどうかという不安を抱えて進む。道中の戦闘で削られつつだ。次の戦闘で一旦戻ろう、というタイミングで次の街が見えてくる。ある意味奇跡的なバランスかもしれない。

という感じで、敵キャラデザインの不気味さよりもシステムが私の心を折りに来る。次第に「なんでこんな思いをしてまでプレイしているんだろう」と思った私はこのゲームの攻略を断念するのだった。

ちなみに高橋名人はノイローゼになりかけながらも全組み合わせでクリアしたらしい。なにそれ、ノイローゼになるゲームって。