や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

PROJECT X ZONE

NAMCO x CAPCOM」というゲームがあった。シミュレーションRPGとしては非常にヌルい難度ではあったが、ナムコカプコン双方に注がれた愛情が凄まじく、両社のマニアックなネタをこれでもかと言うほど拾い上げた素晴らしい作品だった。私はこのゲームに大ハマリしていた。ストーリー分岐もないゲームなのに当時の私は3周ぶっ続けでプレイしていたようだ。
あれから7年、同じ開発会社でさらにセガを交えて新たに作品を作るということで期待していた。CMで人型キャラが大暴れしている傍らで「ファンタジーゾーン」のオパオパがヘビーボムを落とすというシュールな、しかし「NAMCO x CAPCOM」のノリを受け継いだ映像を見た時にすぐにAmazonで予約していた。

一応「NAMCO x CAPCOM」とは独立したストーリーであるらしいのだが、「NAMCO x CAPCOM」で共演した者同士は顔見知りという設定であるため、序盤では再会を懐かしむ場面が多々あり、嬉しい演出だった。また、ステージの一つとしてセガから「ゲイングランド」が登場。このステージだけ助けだす仲間が謎の理由で動けない、助けるまでは敵からも攻撃されないという設定。その理由は一切説明されないがそんなもの「ゲイングランドだから」の一言で十分。いんだよコマケェ事は。
加えて「NAMCO x CAPCOM」でのシルフィ的存在としてデビロット姫とうららが登場。デビロット姫は搭乗機であるスーパー8は登場しないくせにブロディア(パンチのみ)やキカイオー、そしてモビちゃんを従えて登場。今回もモビちゃんはサイドアームの自機と化す。うららの方はオパオパ、スペースハリアー、そして「エイリアンストーム」のスクーターが登場。「エイリアンストーム」て。
キャラの技モーションも上手くデフォルメされていて、リュウ&ケンの場合EX必殺技のときに体が光る、昇竜拳をセービングキャンセルして滅波動拳を叩き込むといった原作のゲームで見かけるシーンを良く再現していた。
シナリオ的なクロスオーバーはあまりないものの、ペアユニットとソロユニットの組み合わせによる掛け合いという形のクロスオーバーは豊富で、全部聞くのは至難の業。単体のセリフでもパロディネタが豊富。戦闘後セリフに「残虐行為手当」という単語が登場するということは小牟の「最後まで立っていた者の勝ちじゃ」というセリフも「ピットファイター」が元ネタか。小牟はメーカーの枠を越え過ぎたこのシリーズを体現する存在だな。
が、良かったのは仲間が全員揃うところまででその後はストーリー的にも起伏の乏しい展開が続く。「NAMCO x CAPCOM」のだじゃれのくにのような後半シナリオでの一発ネタギミック的なものも無い。いかにもな物はゲイングランドまでだった。
シミュレーションRPGとしては「NAMCO x CAPCOM」よりも難度を上げているが、それはまあボス敵の攻撃力が妙に高いから、ということに尽きるような。敵の攻撃に対しての行動はマップ上で処理されるのでテンポは良くなったが防御に関してプレイヤーがテクニックで介入する術は無くなった。防御と特殊行動全般で使用するXPの管理手法が問われることとなる。
キャラクターに関して、本作は比較的新しい作品のキャラクターを集めており、私にとって未プレイの作品が更に増えた格好になった。そのために感情移入しにくくなったような感じもするが、それだけが要因でも無いと思う。
本作はバンダイナムコカプコンセガのクロスオーバーという触れ込みだが、正しくはナムコカプコンセガバンダイのクロスオーバーと言うべきなのだ。それくらい旧ナムコキャラと旧バンダイ(+バンプレスト)キャラのテイストに差があるというか。それを言うとセガトライエースだろとかになっちゃうんだけど。なんか各作品の掘り下げが浅いのかな、と感じる一方で「じゃあとりあえず『ずんずん教の野望』の地蔵を出しておけばいいのかよ」と問われたら「そうだよ!」と即答しそうなほどただ単にマニアックなキャラを欲しがっていただけ、という感じもある。これでは単なるワガママなオッサンではないか。