や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

ジャッキー・チェンプロデュースの対戦格闘ゲーム

それが「カンフーマスター ジャッキー・チェン」。どういうわけか近所のゲーセンに入荷していたので思わずプレイ。といっても最近の作品ではなく、ゲーメストが現役バリバリだった対戦格闘ゲーム全盛のころの作品である。ジャッキーをはじめ、登場キャラは全員実写取り込みである。実写取り込みのゲームは日本でヒットしたためしがないので、てっきり海外制作のゲームかとも思ったが、スタッフはバリバリの日本人。そしてメーカーはかつて「富士山バスター」や「大江戸ファイト」で当時のゲーマーを震撼させた和製対戦格闘の雄である金子製作所。こいつは本物だ。
操作形態は弱強パンチキックの4つボタン構成でコマンド入力による必殺技を使用できるおなじみのシステム。プレイヤーは6人のキャラから一人を選び、自分以外の5キャラ+自分+3形態のジャッキー・チェンを倒すことでエンディングを迎えるという内容である。つまり、本作ではジャッキーは使えず、ボスキャラにして主人公の師匠的な存在として登場する。
ジャッキーを倒すと、ジャッキーから何かを伝授されたかのようなデモが流れるが、プレイした感じでは技を伝授されたような形跡はなく、必殺技を放ったときのエフェクトが変わるくらい。このエフェクトが変わるというのが曲者で、例えば五形拳のジャッキーを倒すと、必殺技を放ったときに五色の玉が散らばるエフェクトが追加されるのだが、この追加エフェクトのせいで画面が見にくい見にくい。プレイしづらくなるだけで何のメリットもないという罠めいたシステムは「いっき」の竹槍を彷彿とさせる。じゃあ他のはどうかといえば、八卦拳なら蛇みたいな竜のエフェクトが追加され、ヒットしたら相手が燃えるけどやはり見た目が変わるだけ。酔拳は一見変化が無いように見えるが、必殺技がヒットすると突然酒壺が登場して割れる。意味がわからないかもしれないが、だって酔拳だし。酔拳の「酔」の部分しか関連していないがそもそもこのゲームの存在自体疑問点の塊なのでツッコんではいけない。
めでたくジャッキーに勝利すると、本作の製作過程で、ジャッキーは「自分がダウンするところは見たくない」とゴネたのかなんなのか、ダウン直後にすばやく体を起こして「グッジョブ」とでも言わんばかりに親指を立ててプレイヤーのファイトをねぎらうのだった。
エンディングではキャストやジャッキーの撮影過程が見られる。そして最後には「TO BE CONTINUED」との表示が!市場の答えを伺う前から続編作る気満々だったのが恐ろしい。実際、続編が発売されたのだがロケテストのみで日本での発売はされず。ひっそりとその姿を消すのだった。