牛

ふと、牛と戦うゲームで何があるかと考えたのだが、古い人なら「空手道」を思い浮かべる人もいるだろうし、やや新しいところで「ワールドヒーローズ2」を思い浮かべる人もいるだろうが、私はまず間違いなくスーパーカセットビジョンの「カンフーロード」を思い出す。
牛について語る前に「カンフーロード」について語らねばなるまい。「カンフーロード」は、奥行きのない横スクロールアクションで、主人公がひたすら迫ってくる敵を倒し、理不尽な高さで飛んでくる壷や手裏剣を叩き落していくゲームである。ここまで聞くと「スパルタンX」を思い出す人もいるだろうが、本作では屋外から敵アジト敷地内、そしてラスボスへと場面展開していく。また、本作ではステージごとのボスがおらず、ある程度進めば次のステージにいける。だからといって簡単なゲームではなく、ほぼ全ステージに登場する前述の理不尽な壷と手裏剣に加えて、牛が登場する。この牛は、倒すと得点になるが、間違って牛の突進を受けると、それだけで1ミスになるという一発死キャラなのである。一発死というリスクを背負わされるのに得られる得点は他のザコの点数のたった2倍。こんな敵を用意するのもどうかと思うが、本作での強敵といえば壷と手裏剣と牛なのだ。人間が一人もいない。そんなゲームである。