や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

aigakikoeru / KOKIA

フランスで先行発売されていたファン待望のアルバムをようやく聞き終えた。KOKIAの評価は相変わらず海外のほうが高いのだろうか。
iTunes Storeでは2000円だが、ここはあえてライナーノーツに1000円払って普通に3000円のCDを購入した。やはりアルバムはライナーノーツも含めてひとつの作品なんだと気づく。

aigakikoeru

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前作はアルバム未収録曲が多かったとはいえベスト版の体裁であったため、オリジナルアルバムとしては「歌がチカラ」以来のものとなる。「歌がチカラ」は私がKOKIAに本格的にのめりこむきっかけとなった記念すべきアルバムだが、それ以前の作品に比べてやや薄い内容で、重度のKOKIAファンには物足りない内容であった。では今作はどうかというと、「Remember me」のころのKOKIAが戻ってきたかのような力強さを持ったアルバムになっていた。
これまでは友情、慈愛、恋愛といった内容の曲が多かったが今回は「慈愛」という言葉では片付けられないほど物凄く大きなスケールでの愛を感じる。強いて言うなら「恵み」か。大地、海、空といった地球を包み込むようなスケールを感じさせる恵み。よくわからないだろうがそういう感じ。
そして、「祈りにも似た美しい世界」や「命の光」で見せる「歌うことこそわが人生」と言わんばかりの歌に対する思いがハッキリと出ている。いい意味で開き直っている。このスタンスはデビューアルバムから明確に主張しているが今回はよりハッキリと見えてくる。この2曲を聴いてKOKIAの根っこは全く変わっていないと思った。むしろより強固な軸となってアルバムの柱となっている。
歌うたいというスタンスを変えないまま、楽曲のスケールはとどまることを知らないほどに大きくなってしまった。このスケールがどこまで大きくなるのか、宇宙すら飲み込んでしまうのではないか、全く予想できない。