や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

DAY AFTER TOMORROW

美容院でDVDが流れていたので、最初から最後まで見てしまった。ローランド・エメリッヒ監督作品ということもあり、何も考えないで見られる作品かなぁと思っていたら、意外な収穫があった。この映画は、大災害というトラブルに巻き込まれた少年少女の青春サバイバルアクション映画という位置づけで捉えると結構面白い。はっきり言って周りのオトナたちなんてスパイス程度でしかない。あのラストシーンを見る限り、この作品は自然災害との闘いというアプローチでありながら、災害パニック映画のオチについては完全に放棄しているため、この映画はやはり高校生クイズで出会った少年少女たちの青春サバイバルアクション映画なのだ。
大体、彼らの性格付けが見事に分けられているところから見て、本作の主人公は間違いなく彼らだ。内気で、好きな女の子になかなかアプローチできない主人公というのがたまらない。飛行機が低気圧の中に突っ込んで大揺れのなかで好きな女の子の手を思わず握ってしまい、彼女に指摘されるまで気づかないなんてプロットを自然災害パニック映画で描くわけが無い。水没しそうな公衆電話に一人で行けばいいのに彼女まで連れて行って、彼女の目の前で溺れたように見せかけたり、凍えそうな体を彼女が体で温めてくれたり敗血症になってしまった彼女(その敗血症ってのも結構無理やり作った傷から無理やり敗血症になっているわけだが)を救うために理不尽に流れ着いてきた船に飛び乗ったり、その中で理不尽に脱走したオオカミたちに襲われたりとまぁ、恐ろしいまでのご都合主義なストーリー展開は、体がむず痒くなるような青春群像劇だ。その上、強風でハリウッドの看板を粉々に飛ばしてみたり、センセーショナルな絵を取りたいがためだけに自由の女神をビル群のところまで無理やり漂流させるお茶目をしてしまうのもローランド・エメリッヒならではと言えなくも無い。
いままでローランド・エメリッヒにはいい印象を持っていなかったが、今後は是非ベタベタな青春アクション映画を撮ってみてはどうだろうか。「グーニーズ」のリメイクとかやらせたら面白いかもしれない。ローランド・エメリッヒのことだから無理やりアメリカ万歳の展開に持っていくとかしそうだが、面白ければそれで良いや。ただ、彼は明確なラスボスが存在しないとストーリーの決着を放棄するという悪いクセがあるため、そこは無理やりにでも強力なラスボスをセッティングしてやる必要がある。
というわけで、ローランド・エメリッヒの次回作が楽しみだ。