や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

マタンゴ

今日の「トリビアの泉」で荒俣宏が過去に「マタンゴ」と呼ばれていたという話を聞いて私は「マタンゴ」を思い出してしまった。

マタンゴ [DVD]

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マタンゴ」とは、東宝が生み出した和製ホラーの傑作である。当時東宝は、「ゴジラ」シリーズとしての特撮シリーズと、等身大の怪人を取り扱ったホラー作品としての特撮シリーズがあった。おそらく、ホラーシリーズとしての元祖は「透明人間(1954年)」だと思うが、その後、「美女と液体人間」や「ガス人間第1号」という作品を経て、たどり着いた先が「マタンゴ」である。
私が「マタンゴ」を知ったきっかけはとある怪獣事典(おそらくケイブンシャ発行)で掲載されていたマタンゴマタンゴ人間の写真を見たときであった。他のページは全く怖くなかったのだが、マタンゴ関連のこの2つの写真はとても怖かった。写真だけで怖い作品なんて「マタンゴ」くらいしかない。そんな「マタンゴ」を私の父親は映画館で見たのだが、「見た後トイレには行けない。鏡を見られない。」という感想を聞いたことがある。その後、レンタルビデオで私はこの作品を見て、父親の言葉の真意を知ることとなる。
マタンゴ」の怖さは、そのクリーチャーデザインによる怖さだけではない。キノコを食べることによって人が人で無くなることを判っていながら、飢えに耐えかねてキノコに手を出してしまい、キノコでラリった末にキノコの化け物と化していく仲間たちを見続けるのが非常に恐ろしい。人間の心理が生み出す恐怖を「マタンゴ」は見事に表現している。そして、島から脱出してホッとしたときに襲い掛かる衝撃のラスト。これは傑作だ。しかし、二度と通して見たいとは思わない。なぜって怖いから
あぁ、ヘタレだろうがなんだろうが言いたければ言えばよい。それでも見るのが辛い。そういう作品である。