や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

ソリティ馬

ドラゴンズクラウン」も「だるめしスポーツ店」も面白かった。だが中毒性では本作が上。
競馬とソリティアのミスマッチとも思える融合。しかしこれが見事にハマっていた。一応競馬ゲームではあるものの性質としては「ダービースタリオン」よりも「ファミリージョッキー」的ではある。配合して仔馬を育ててレース馬として鍛えていくが、配合は難しい要素が無く、あまりにも近しいインブリードでもない限りはどんな配合をしてもOKのようである。馬の父や母父とかもかなりどうでも良さげ。主人公はジョッキーなので馬の調教という要素もない。ただただ騎乗して勝つだけである。
レースのあらゆる場面でソリティアが関わる。スタートダッシュではいかに早くスタートダッシュを決めるか、道中ではいかに早く正確にソリティアをクリアするかが鍵となる。ソリティアのデキによっては馬が機嫌を損ねてしまい、あまりにも機嫌を損ねてしまうと暴走してポジション取りが無茶苦茶になるわスタミナを著しく消耗するわなのでかなり注意しなければならない。
レースの流れは、スタートダッシュ→道中→最後の直線、となる。スタートダッシュでは道中最初のポジション取りがかかっているのでなるべく早くソリティアを終わらせなければならない。道中では、ソリティアをしつつ流れてくるパワーアップアイテムを取る。このアイテム取得システムが「ファミリージョッキー」っぽい。ただ、異なる点があり、「ファミリージョッキー」ではアイテムを取った瞬間に効果を発揮するが、本作ではアイテムを取得し、直後のソリティアでアイテムが配置されたカードを処理しないとアイテムを取得したことにならない。すなわち、ソリティアだけできてもダメ、馬のコントロールだけできてもダメという仕様である。うまく馬を操作してアイテムをゲットできてもその後のソリティアがボロボロだとその労力も無駄に終わるところがもどかしくも面白い。これが、どちらかだけできていれば良いような仕様であれば、ゲームの難易度も落ちるのだろうがそれでは競馬とソリティアを組み合わせる理由がない。双方のテクニックを両立させてこそ組み合わせた意味があるのだ。
最後の直線では各馬全速力でゴールを目指す。この時の馬の速度は道中でためた気合値で決まる。気合値を溜めるには道中をベストなポジションで走ることが大事である。しかし、ベストなポジションをキープしていると、ソリティアの難度が高くなる。馬の機嫌の問題などでソリティアを失敗できない状況であればわざとベストポジションから外してソリティアの難度を下げるという戦略もある。このあたり馬のスキルで気合値を上げることが出来たりするため、場面に応じて戦略を決めることができる。
競馬としては若駒編と古馬編に分かれており、若駒編で3歳12月まで進めれば、若駒編は一旦終了となり、モードを古馬編に変えて続きをプレイすることになる。なぜモードが分かれているかというと、若駒編と古馬編で異なる性質のゲームになっているためである。
若駒編では新馬戦や未勝利戦で必ず優勝しなければならないものの、基本成長のためのモードである。アイテムを取り、ソリティアを確実に消化してアイテムをものにする。取得したアイテム以外に残ったスタミナもレース後に経験値となるため、最後の直線でもムチを打ったりしない。それで勝てなくても気にしない。全ては成長のためにある。
一方で古馬編では馬は成長しない。純粋に勝利だけを追い求める。3回負ければ引退なので、全力で勝ちに行く。したがって最後の直線でもムチを打って速度を上げスタミナを使い尽くす。このようにモードの違いによって攻略のアプローチが全く異なる。基本繰り返しのゲームだが、新馬編と古馬編を交互に行うため飽きにくくなっている。
小ぢんまりとしながらも没頭できる要素のみで構成され、ソリティアによるパズル要素だけでなく戦略的なレース運びを要するように作られている。そんなゲームが500円て。スゴいことですよコレは。