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や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

場末のゲーセンにて

私の家から最寄りのゲーセンは大学の近所にある、昔ながらのテイストを持ったゲーセンである。いわゆるアミューズメント施設とは真逆の方向性を持ったゲーセンである。大学の近所だが、客は少ない。ちょっと移動すればより充実したラインナップを揃えたゲーセンがあるからだ。私は、客が少ないおかげでbeatmaniaIIDXが快適に遊べるから通っていたりする(もっと低PASELIポイントの店が別に存在するが、低PASELIポイント故に混んでいる)。beatmaniaIIDX麻雀格闘倶楽部を除いて最新と呼べるゲームと言えば「エヌアイン完全世界」である。「テトリス・ザ・グランドマスター」(1作目)や「ストリートファイターIII 3rdストライク」が人気機種である。下手の横好きシューターの私でもそこそこ楽しめる「雷電DX」もある。10年以上前のゲーセンの光景だ。
客が少ないので落ち着いてゲームが楽しめる。私は一人対戦格闘ゲームファンでもあるため、暇に任せて「エヌアイン完全世界」を全キャラクリアしていたりした。「ファイティングレイヤー」で全キャラクリアしたときのゲーセンでもある。他の店舗で置かせてもらえない基板が集まってくるんだろうか、チョイスが渋すぎる。
その店には、シューティングゲーム1000in1の機種も置いてある。MAMEなのだろうし、そういう怪しげなものに金を投入する気にはなかなかなれず、実際プレイしている人を見かけることはほぼ無いのだが、その日は珍しく誰かが遊んだようで、「極上パロディウス」の画面になっていた。
その人に触発されたのか分からないが、なにかやってみようと思い、ゲームリスト画面に戻そうとしたところ、クレジットが入っていた。どうも100円2クレのうちの1クレを残したままにしていたらしい。いい年してタダゲーもアレだが、残っているクレジットは誰かが有効に使うべきという都合の良い主張を持ってプレイすることにした。プレイ内容について語るべきことはない。4面の高速ステージでゲームオーバーになった。まあそんなもんだ。
席を立った時に声をかけられた。「極上パロディウス」を選択して遊んでいた人だった。このゲーセンで普段遊んでいるゲームの話や、「極上パロディウス」の話を枕に、昔のゲーセンの話を聞いた。
その人はもうかれこれ10年以上このゲーセンに通っていた。そのころは学生客が非常に多く、ハイスコア集計も行なっており、スコア集計結果を壁に張り出していたりしていたらしい。私が知っている90年代前期までのゲーセンという感じだった。しかし、そのころの学生はとうに卒業してそれぞれの道に進み、今となっては見る影もない。その人はシューティングゲームが大好きで、シューティングゲームで育ってきたそうなので余計に今の光景に寂しさを感じるのだろう。「雷電DX」などは連射装置をつければかなり遊びやすくなるのでつけてくれないかと店側にお願いしてみたが断られたという。店側にもそういうことの出来る人がいないのかもしれないし、そういう改造そのものを避けたい気持ちもあるだろう。
これからもシューティングゲームをプレイし続けましょう、みたいな話をしてその人とは別れた。その人はこれからもゲーセンでシューティングゲームを遊び続けるだろうし、私もダラダラと遊び続けるだろう。それで良いのだ。
別に懐古主義ではない。新しいゲームは新しいゲームで遊ぶし、古くても大好きだったゲームはやっぱり遊び続ける。その店にしか無いゲームを遊びために通う。でも、私はやっぱり寂れている場末の雰囲気を出しているこのゲーセンが好きなのだろう。ラインナップは渋いし、筐体のメンテは甘いし、来るたびに筐体の数が減って段々広々としてきているようだが、それでもここが居心地がいい。

ゲームを愛そう。新しいゲームを愛そう。古いゲームを愛そう。作り手を愛そう。遊び場を愛そう。クソゲーを笑い飛ばそう(出くわしても被害額100円だし)。この言葉を持って、2013年の意気込みとさせてください。