や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

ゲームミュージックを語れるラジオパーソナリティはまだ存在しないのかもしれない

帰省していた間、録音しておいた「今日は一日"ゲーム音楽"三昧」を聴いていてようやく先日聴き終わった。企画としても、番組としても興味深くて面白くて意義深い内容だったと思う。ゲストとのトークも非常に興味深かった。トークが長すぎるという指摘が番組中ですらあったが個人的には格別に長すぎたということもなかったと思う。まぁ、「スーパーストリートファイターIV」の対戦コーナーはちゃんと実況できる人間に進行させるべきだったのは確かだけど、その辺は当事者も実感しているだろうから今更責めるつもりもない。
ただ、今回パーソナリティを務めた面々は、ゲームに関する知識はそれ相応にあるのだが、ゲームミュージックに関する知識については疑問を感じざるを得ない点があった。楽曲に関するディープなトークを行っていたのが作曲者たるすぎやまこういちとギリでアメリカザリガニ平井善之のみというのは企画的にいかがなものかと思う。ゲームについて語るなというわけでないが、この企画はあくまでゲームミュージックが主であり、ゲームについての話題は刺身のつまのようなものであるべきだったし、リスナーもそれを期待していたのではないだろうか。
とはいえ、ゲーム好きではなくゲームミュージック好きで、ゲームではなくゲームミュージックについて熱く語れ、こういうラジオ特番のパーソナリティを務めるにあたって説得力を持つ人間がいるかと問われると、正直思い浮かばない。いるのかもしれないけど、サントラをアホほど買いあさるとかシステム基板の進化に伴うサウンドの表現力の変遷を語る、とかそういうことを公言する人がいないっぽいからなぁ。いたらNHKの人が真っ先にオファー出しているだろうし。
まぁディープに語れる人を求めるのは現時点で贅沢かもしれないけど、せめてパーソナリティ全員が紹介しているゲームを知らないということは無いようにして欲しい。特に「天外魔境II」のくだりとか。あと、ネットに繋げられるPCを用意しておいたほうが良いかもな。分からないときにすぐググれるように。

以下、曲の感想とか。

002. “交響組曲ドラゴンクエストIII”より「ロトのテーマ」NHK交響楽団

NHK交響楽団演奏のCDに収録されている「ロトのテーマ」は作品ごとにちょっと違ってて、Iは5分以上のフルバージョン。IIとIIIはイントロ、メイン2ループ、Codaという流れなのだけど、IIはドラムの入らないバージョンで、IIIはドラムの入るバージョンという違いがあって、それで聴き分けたりしていた。

006. マッピー

個人的に初めてゲームミュージックを意識した作品。音を伸ばすのにただ伸ばすのではなくてトレモロっぽくしてたのが印象的。

009. “イースII”より「To Make The End Of Battle」

当時小学生で、デパートのパソコン売り場で「イースII」のオープニングデモを延々と流していたのを見た。絵面もさる事ながらこの「To Make The End Of Battle」のインパクトが大きくて、ずーっとガン見していた。その後、友人にPC版の直取り音源をテープに録音して聴きまくった。PC-8801版なので長かった。
これほどの曲は家庭用ゲーム機はもとよりアーケード作品でも当時は無かったと思う。

010. “三国志V”より「竜戦」

番組では全然触れられていなかったけど、作曲は服部隆之。結構ビッグネームを起用しているよなぁ。でも私のお気に入りは菅野よう子作曲の「信長の野望 全国版」の「OVERTURE」なんだ……。

012. “ニンジャウォーリアーズ”より「ダディ・マルク」

番組中では散々ネタにされたコイン投入音。「ダライアス」もそうだったけどやけに凝っていた。また、ゲーム中のコイン投入音は別の曲というのも同じ。
肝心の曲について、三味線ソロ後などに歓声のSEが入るのだけど、これはやっぱりライブコンサートでの演奏を意識した演出なんだろうかね。BGMとしては反則に近いけど良い曲だよなぁ。

013. “アクトレイザー「オープニング」

スーパーファミコン最初期でこのクオリティというのがものすごい。スタッフロール曲のイントロで20世紀フォックスのテーマを思い出すのは私だけではないはず。

014. “天外魔境II 卍MARU”より「オープニング(宇宙空間)」

番組中ではメインテーマの作曲を久石譲が行ったことが話題になったけど、前作「天外魔境 ZIRIA」のメインテーマの作曲が坂本龍一であることを誰も知らなかったのか、変な流れになっていたような。「天外魔境 第四の黙示録」では大物作曲家による楽曲では無かったものの、ワルシャワ・フィルハーモニック・オーケストラによる演奏なのでそれはそれで金かかってるよなぁ。
フィールド曲が「となりのトトロ」でメイが中小トトロを追いかけるシーンのBGMに似ているのは作曲者が同じだから仕方がない。

025. “いっき”より「通常BGM」

な ぜ フ ァ ミ コ ン 版 の B G M を 使 っ た し !
アーケード版の曲はマトモなBGMでファミコン版のノリで聴こうとすると逆に驚く。

030. “電脳戦機バーチャロン”より「in the blue sky

GM規格で言うところの音色番号101番「Brightness」をメロディーに使って前面に押し出したサウンドは当時(当時じゃなくてもか)のセガ作品では珍しいと思う。

031. “ワルキューレの伝説”より「メインテーマ」

ナムコ作品でもトップクラスで好きな作品。このころから電子音成分が減ってサンプリングを用いるようになるのでそのクオリティの差に驚かされた。
空を飛ぶシーンがあるわけでもないのに「空を飛んでいるかのよう」と言わしめるのはサウンド自体に浮遊感があるのと1面中盤で高所を、動く足場を使って移動するシーンがあるからだと思う。

032. “スターソルジャー”より「スターソルジャー

な ぜ フ ル パ ワ ー 時 の 曲 だ け な い ?
フルパワー時の曲なくして「スターソルジャー」を語るなかれ。あのイケイケ感はプレイしていて本当に気持ち良い。そして敵の体当たりを食らっていきなり無音になって一気に冷める。
ハドソンのキャラバンシューティングは他の作品も名曲が多いので次回は「ヘクター'87」や「スーパースターソルジャー」や「ソルジャーブレイド」を聴きたい。

033. “グラディウス”より「stage4」

この曲の「Free Flyer」というタイトルは後付なんスかね?2面3面と暗めの曲が続いてこの素晴らしく明るい曲が来るというのが良い。敵の攻撃も激しい。

034. “ボンバーキング”より「ボンバーキングのテーマ」

Hudson Premium Audio Collectionに収録されているやつ。

036. “レイフォース”より「Q.E.P.D」

「Q.E.P.D.」ってのは「Que en paz descanse」の略で、意味はスペイン語で「安らかに眠れ」。サントラの曲リストに注釈があり、略称なのは分かっていたのだけど意味が分からなくて学校の図書室でスペイン語辞典を引っ張り出して調べた思い出がある。
任務完了後、制御の効かなくなった自機に与えられたエンディングがコレというのが味わい深いよなぁ。
出棺の時はラビング・ビートに収録されていたアレンジ版で。

037. “ダライアスII”より「say PaPa」

5部構成なんですと。火星ステージクリアから木星ステージ、ボス、エンディングまでで間に違う曲を挟みながらも一つの楽曲となっているそうな。この楽曲で生命の兆し、受精から成長、未来までを表しているという壮大な曲。曲中に聞こえる「Papa!」の声、そして「2001年宇宙の旅」のスターチャイルドを彷彿とさせるバイオストロング。PCエンジン版では「メカバイオストロング」だけど赤ん坊の声は健在。しかも赤ん坊の泣き声が最終トラックに収録されているので、サントラとして聴いていると突然の泣き声でビビる。PCエンジン版のアレンジを担当したT's Musicとプロデューサーのタベ公は絶対に許さない、絶対にだ。

038. “ダライアスバースト”より「Good-bye my earth」

作曲者は変わったけどDNAは受け継いでいると思う。曲をゲームの演出とシンクロさせていたし、何より良い曲だった。ゲームの初っ端に良曲を持ってきてプレイヤーの心をしっかり掴むというのは非常に大事なことで、名作は大抵掴みの曲が名曲である。バーストで最後だと思っていたけど、「ダライアスバースト アナザークロニクル」が出ることだし、また小倉久佳に楽曲提供していただきたいところ。

039. “アフターバーナー”より「Final Take Off」

世間では4面からのBGMである「After Burner」が有名なのだろうけど、個人的には最初に聴くことになるこの曲の方が思い入れが深い。

043. “スーパーストリートファイターII”より「バイソンステージ」

ストリートファイターII」の中でもこの曲を選んでくるところが実に渋い。作曲者いわくユーロビートを目指した、というだけあってストII楽曲の中でも派手派手なサウンド。使用楽器の数も全キャラの中でトップ。

044. “餓狼伝説SPECIAL”より「ギースにしょうゆ」

SNK新世界楽曲雑技団最大の功績は「餓狼伝説」で「ギースにキッス」のギターリフを生み出したことだろう。この曲は「ギースにキッス」に和風テイスト……拍子木や鼓を盛り込んでいるからしょうゆなんだろうな。コレに限らず、SNK新世界楽曲雑技団の曲はタイトルがダジャレな曲が多いけど、そのどれもがシリアスでカッコ良い曲ばかりなので良い意味でギャップがある。

049. ドラゴンクエスト戦闘曲メドレー

これCDに収録されていた「ゲーム・オリジナル・サウンド・ストーリー」のものだな。「ドラゴンクエストIII」の場合は船入手後の海上での戦闘だった。ファミコンはモノラルなので音がパンすることはないのだけど、CDの場合相手に呪文を掛けたとき右から左へとか左から右へパンするようになっていて、敵味方が左右で対峙しているような演出が良かった。でもそれって「ファイナルファンタジー」的だよね。

051. “ドラゴンクエストII”より「Love Song探して」(牧野アンナver)

おう80年代ポップスって感じだぜぇ。なぜか酒井法子の「夢冒険」を思い出した。

052. “ドラゴンクエストIII”より「勇者の挑戦

やっぱり「広野を行く」のメロディをモチーフに取り入れていたのかな。

053. “グランディア”より「グランディアのテーマ」

当時少年が冒険の旅に出るファンタジーRPGというのは飽和状態にあって、それで異色なRPGが多々出てきていた時期で、
そんな中で少年が冒険の旅に出るコテコテな王道RPGで面白かったというのが本作の魅力だよな。ストーリーはなんとなく「天空の城ラピュタ」的ではあるけど。

060. “クロノトリガー”より「クロノトリガー」 061. “クロノトリガー”より「風の憧憬」

ドリームプロジェクトということで錚々たる面々がスタッフとして名を連ねる中で、入社3年で初作曲作品だった光田康典があそこまでの曲を書いたというのがスゴいよなぁ。

066. “THE IDOLM@STER”より「GO MY WAY!!」

アイドルをモチーフにしたゲームだから王道アイドルポップが聴ける。この曲ではないけど、実際にアイドルソングを手がけた人も参加しており、ゲームとはいえアイドルソングを作ろうとしている姿勢がしっかりしている。こういう小物がしっかりしているかどうかというのがゲームに対する没入感の一助になるよなぁ。

069. “アウトラン”より「マジカルサウンドシャワー」

レースゲームではなくドライブゲームだからこそのこのサウンド。

072. “F-ZERO”より「BIG BLUE」

F-ZEROで一番好きな曲なのだけどコースが一つしか無い……。タイムアタックじゃなくてずっと走り回れるモードがあったら飽きるまで走り回っているだろうと言えるほどの名曲。

073. “ナイトストライカー”より「URBAN TRAIL」

な ぜ ア レ ン ジ 版 を 流 し た し !
よりにもよって声ネタ「ハッハー」で脱力させる問題作をチョイスしてくるとは。NHKで確保した音源はナイストがカップリングだった「ダライアスII」だったのではなかろうか。「URBAN TRAIL」はその直前の「Coin〜Opening」も含めて一つの楽曲だから流すときはセットで流してほしいよな。ナイストの曲はどれも大好きなんだけど、お気に入りは「TRANCE PARLENT IN BLUE」、「FLY AWAY」、「TERARIST」、「BURNING ROAD」なんだ……。

081. “ファイナルファンタジーVI”より「アリア」

スーパーファミコンで最初に歌を歌った曲。当時は本当に歌っているように聴こえて驚いたのだけど、実際にボーカルをサンプリングしていたとは。音質はアレだけどボーカル曲をスーパーファミコンで実現した「テイルズオブファンタジア」のオープニングを見たとき、植松伸夫はどう思ったんだろうなぁ。

092. “ロマンシング サ・ガ2”より「七英雄バトル」

ロマサガの戦闘BGMってメロディが勇壮なトランペットや繊細なストリングスなんだけど、ベースやドラムがハッキリとビートを刻んでいるのでクラシックというわけでもない、という個人的にはかなり独特だけど大好物なサウンドなんだよなぁ。

093. “ロマンシング サ・ガ3”より「四魔貴族バトル1」

こう、四魔貴族という強大な存在に対して挑んでいく主人公たちという、エレキギターが四魔貴族の邪悪さを表現しているような感じでギターとストリングスの掛け合いが良いよな。

094. “ロマンシング サ・ガ3”より「四魔貴族バトル2」

本体の本気出した四魔貴族とガチンコで殴り合い。長いイントロ後の一瞬の間がまた良い。この間に合うようにコマンド入力のタイミングを合うように遊んだりした。こういう曲を沢山聴きたいのだけど、エレキギターとストリングスとオルガンで構成されているスピードメタルってどんなのがあるんだろう。

102. “ナイツ”より「ドリームス ドリームス」

実は最終面がクリアできなくてエンディングを見たことがない。ボタン電池を買ってきて手持ちのサターンを復活させる時が来たようだ。

105. “ビデオゲームミュージック”より「ギャラガ

世界初のゲームミュージックアルバム「ビデオゲームミュージック」の最終トラックがギャラガ。この企画では絶対に外せない一枚である。監修は細野晴臣YMOの3人はそれぞれ別々でゲームミュージックに関わっているのが面白い。高橋幸宏作曲の「銀河の三人」とか「ライディーン」ぽい曲があるし。「スーパーロコモーティブ」のBGMがまんまYMOの「ライディーン」なのはどうなんだろうと思ったのだけど許諾は取ってあるみたいだね。