や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

それでもボクはやってない(TV)

これは物凄い映画だった。全ての人が一度は見ておくべき映画。…ということは心から認めるが精神的にキツ過ぎて二度目を見ようという気は起こらない。
もともと痴漢事件の報道に対して一歩引いた目線で見ることが多かったのだが、本作を見てやはり痴漢事件に対する見方を考えさせられる。ホントこういう目に遭ったら人間不信になる。だって自分の前に現れるほぼ全ての人間が自分を犯罪者として接してくるから。ただ、この辺は刑事、検事、裁判官といった面々も同じで、彼らも目の前の人間が犯罪者か否かを見極めるのに必死なのだろう。無罪推定という原則があるからこそ、証拠を引き出すために必死になる。その結果どう見ても有罪推定になっている。
映画として見るとリアリティという面の判定は私にはしづらい。しかしネットの評判を見る限りかなり綿密な取材の成果はしっかり出ているようだ。そのせいなのか、全編気を抜ける瞬間などなく、常に緊張感を持ち続けた状態で見ていた。このような作品はなかなかない。過度にエンタテインメントに走ることはなく、さりとて無味乾燥でもなく登場人物にしっかりとしたキャラクターを割り振って彼らのバックストーリーを微かだが感じさせる演出の按配はすばらしかった。

女性専用車両 - Wikipedia
女性専用車両というのは消極的ながらも痴漢冤罪の防止には効果的だと思ったが、そもそも混雑状態を解消させない限り根本的な解決はないという現実。利便性が損なわれるといったさまざまな問題があるのだろうけど、女性専用車両は有効活用されてほしいなぁと思う次第。

推定無罪 - Wikipedia
気づけば有罪推定になっているなんてことは別に珍しいことではない。マスコミの報道もそうだしそれを見ている人々もそうなっていて不思議ではない。さすがに事件当事者にまで言うつもりはない(「他人事だと思え」と言ってる気分になる)が、第三者としては事件報道をもっと冷静に見たい。