や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

Lola Rennt/ラン ローラ ラン

マルチシナリオ&マルチエンディング作品という話は聞いていた。実際のところ、日テレ土曜9:00のドラマ「君といた未来のために」のような感じだった。それに加えて主人公ローラとすれ違った人々のその後も描かれていたりする。同じ内容の繰り返しっぽく見えて、全体的に少しずつ異なる展開を見せている。シナリオ自体は荒唐無稽なところがあり、薄っぺらいところもあるのだが、本作はそういうところをウリにしているわけではないので、ツッコむだけ野暮というものである。
音楽はテクノ。ドイツ映画だからジャーマンテクノ?とにかくローラが走っているシーンは全編テクノが流れている。またこの曲がカッコ良い。映画音楽として考えると邪道なのかもしれないが、これが意外に映像とマッチしていたりして面白い。
本作はあまりに斬新な作りと、ストーリーのタルさのせいで賛否両論だったりする。ただし、走って走って10万マルクをどうにか用意するということを3回見せているのにもかかわらず、緊張感を失わせないスピーディーな映像の作り方や演出は評価できる。また、3回は冗長とする意見も見られるが、本作のコンセプトの場合最低2回はやり直さないと意味がない。そういう意味ではギリギリのラインだと思う。盛り上げるだけ盛り上げておきながらエンディングは確かに唖然とするくらいあっさりとしているのだが、人生ってそんなものだろう。異常な事件を潜り抜けて得た平穏な日常以上のハッピーエンドなどあり得ようか、と問いたい。
で、色々見ているうちに「タイムアクセル12:01」という作品を見つけた。本作のモチーフがそこからあるかどうかは解らないが、「君といた未来のために」はどうも「タイムアクセル12:01」からの頂きっぽい。