ストリートファイターIIIダブルインパクト

「ストリートファイターIII」がなぜヒットしなかったのかというと、対戦格闘ゲームとして非常にマニアックなシステムで固められていたからだと言えよう。ブロッキングにしろ、スーパーキャンセルにしろ、リープアタックにしろ、する方にはそれなりのテクニックが必要だし、された方も対処するために何らかのテクニックが必要となる(スパキャンは別だが)。これらを使いこなせて初めて「ストリートファイターIII」の入り口にたどり着くわけだが、そこにたどり着くまでに多くのプレイヤーが挫折した。
「ストリートファイターII」が売れたのは、世の中に対戦格闘ゲームが存在しておらず、全てのプレイヤーが初心者としてスタートラインを切れたからだろう。「ストリートファイターII」は、ガードと必殺技のシステムによって、対戦格闘ゲームの基本フォーマットを作り上げてしまった。世のほとんどの対戦格闘ゲームは「ストリートファイターII」のシステムを踏襲していくことになるし、カプコン自身も「ストリートファイターII」以上の画期的なシステムを生み出せなかった。
「ストリートファイターIII」は、対戦格闘の新しいスタンダードを目指して開発されてきたはずなのだが、結果的に「ストリートファイターII」+αでしかなかった。まぁ「ストリートファイターII」が産まれたときとは事情が全く異なるので仕方がないのかもしれない。
それでも、「ストリートファイターIII」はシリーズを重ねることで対戦格闘としての出来を上げていき、3rd STRIKEでようやく一つの完成形にたどり着くのだが、確かに面白い作品ではあるのだが、やはり人を選ぶ作品で終わってしまった感がある。そういう寂しさが本作には存在する。