や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

ハットトリックヒーローS

アーケードなら「バーチャストライカー」、プレイステーション系なら「ウイニングイレブン」がそれぞれ代表的なサッカーゲームだろう。PCエンジンには名作の誉れ高い「フォーメーションサッカー」がある。メガドライブセガサターンなら「ビクトリーゴール」シリーズか。正直あまり知らないが。スーパーファミコンJリーグ立ち上げに時期がかぶっているせいかサッカーゲームが多すぎる。ラモス瑠偉のはかなりヒドかった記憶がある。それでも最強は「ジーコサッカー」だろう。かなりの本数が「SM調教師・瞳」として第二の人生を歩んだことでも有名か。
というわけで、サッカーゲームの歴史において決して表に出てくることの無い、しかし強烈な個性を持ったシリーズがこの「ハットトリックヒーロー」(以下HTH)シリーズである。本作はサッカーの戦略性や選手のアクションよりも、むしろラフプレイへのこだわりが強く、アーケードのHTHシリーズの進化の歴史といえば反則行為の歴史と言っても過言ではない。HTHでは飛び膝蹴りだけだった反則行為が、HTH'93では膝蹴り、掴み倒し、足首つかみなどバリエーションが増え、HTH'95に至っては反則行為である飛び蹴りの使い勝手がスライディングよりも良いという反則奨励とも言える展開に。他にも、HTH'93では選択したキャプテンによってチームのパラメータに影響が出る(キャラによっては反則へのチェックがゆるくなる)システムや、「少林サッカー」の元ネタとしか思えない(というか「少林サッカー」の元ネタはHTHだ!)必殺技の数々がある。HTH'95ではダッシュが追加になり、HTH'93より地味に見えるが、サッカーらしくゴール前の攻防が非常にアツくなっている。個人的にはHTH'95が一番おすすめである。
しかし、このHTHは大抵のタイトー移植作品と同様に移植度があまり高くない。HTHの移植はまぁまぁだったが、HTH'93の移植であるHTH2は反則の種類が一つしかない点や、そもそも選手の動きがヒドい。ゴール前の攻防も最悪という、見るべき所があまりにも無さ過ぎる駄作となっていた。本当、タイトーのアーケードチームとコンシューマーチームって仲悪いんじゃないのかと疑ってしまうくらいのヒドさ。
で、HTH'95の移植作的存在が、本作HTHSである。選手の動きや反則行為のバリエーションについては特に問題は無い。しかし、とてつもなく面白くない。敵の動きがあまりにも正確無比に動きすぎるのだ。そのくせボール回しはヘタクソ。このゲームではボール持っている選手に接触するだけで自動的にショルダータックルが発動してボールを奪ってしまう仕様(HTH'95はそんな仕様じゃなかったと思うが)で、そのショルダータックルの性能が良すぎる。で、コンピューターは正確無比な動きで接近してくるため、ちょっと判断を迷っただけですぐにボールを奪われてしまう。しかし、ボール回しが下手なので、キーパーがいつも拾ってばかり。それにしてもどうしてここまでヒドい移植ができるのだろう。やっぱり仲が悪いのかな