や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

宇宙戦争

100年以上前の作品であり、ストーリーやオチまである程度知られているのだろうし、筋としても非常に古臭いものであるのだろうから、そういう素材をスティーブン・スピルバーグがどのように料理するかが本作の楽しみ方の一つだろう。
見終わってみて、ものすごく圧倒される作品だった。私にしては珍しく、最初から最後まで姿勢を変えることなく、時間すら忘れて2時間10分を堪能した。映像美やストーリーに圧倒されたわけではない。徹底して人類を虐殺していくさまや、未曾有の出来事に対して生存本能のみが表に出て醜い争いを始める人類を極めて冷徹に表現しているため、背筋にゾクゾク来るものがあった。やっぱりスティーブン・スピルバーグはスゴいのだと思わされる。トム・クルーズである必要もないし、ダコタ・ファニングである必要もない。完全に役者を食ってしまうくらいのインパクトを持った演出振りだった。
タイトルこそ「宇宙戦争」なのだが、この作品で見るべきところは、前代未聞の危機に対して人はどうなってしまうのかをテーマにしたドラマ部分だ。あくまで人がどう生き延びようとするか。人間の最もイヤな部分であり、最も人間らしい部分ばっかり見せ付けられるという意味で怖い映画だった。
ラストがかなり拍子抜けする展開ではあるが、本作の最も重要なところは先にも書いたとおり未曾有の危機に対して人間はどうなってしまうのか、なので、正直なところSF的な要素はどうでも良かったりする。人類が経験したことのない危機を具現化するためのSF的な要素なのだから。
あ、そうだ。スタッフロールでセーラームーンの曲?がリストアップされていたのだが、どこで使ったのだろう。聞き逃していた。