や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

ターミナル

ありえねー!
カンフーハッスル」ではないが、こういう気持ちになってしまった。一言で言うと、トム・ハンクスが空港の中から出られないことを良いことに好き放題するという映画。最初は周りの人の対応が冷たいが、交流を深めていくうちに空港の中の人々がみんな仲間になってくれるという、誰でも一度は見たことがありそうな展開の映画である。ま、ハートフルコメディという奴だろうか。スティーブン・スピルバーグにコメディの才能が無いと感じている人は私だけではないと思うが、本作もスティーブン・スピルバーグ嫌らしさを感じてしまう作品であった。
こんな映画のあらすじの細かいところをバラしたところで、本作を楽しめなくなるわけでもないので書いてしまうと、主人公は英語圏の国の人ではないため、英語があまりうまく話せず、それによる苦労をあらわしている場面が結構登場するのだが、主人公は英語ができないだけなのか、それとも人としての常識を知らないのか、怪しい場面も存在する。例えば、作業しかけの壁塗りを勝手に始めたり、改装中のロビーを勝手に占拠して自分のベッドルームにしたり、空港の設備である水飲み場を勝手に改造したりする。見ていて、コイツ単なるバカじゃないんだろうか、とも思ってしまうのだが、それは私の頭の中で「トム・ハンクスフォレスト・ガンプ」という図式が成り立っているため、トム・ハンクスを見ているだけでちょっと知恵遅れの役と思ってしまっているからかもしれない。
とはいえ、トム・ハンクス以外の面子も結構変である。というよりもほぼ全員大人気ない。特に空港警備局の局長代理(本作のラスボス的存在)は口では事なかれ主義的な発言をしておきながら、実はトラブルを起こしたいのではとしか思えないような命令をしてみたりして、まぁ、どいつもこいつも大人として問題のある人間ばかりである。そういう意味では、「新世紀エヴァンゲリオン」的でもある。嘘だ
本作を観て、私はトム・ハンクスのことが大嫌いだということを痛感した。どうにも彼の演技はわざとらしすぎると感じるからだ。つまらないアメリカンジョークを聞かされたときのような感覚になってしまう。これも単純に私とトム・ハンクスの芸風とが合わないだけだと思うが。
あと、キャサリン・ゼタ=ジョーンズはいらない。ストーリー的にいなくても問題ないし、彼女がいなければ物語を30分は短縮できる。キャサリン・ゼタ=ジョーンズの存在は物語を冗長にするだけだ。