や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

僕の彼女を紹介します(Wind Struck)

「全然泣けなかった」なんて超月並みなことを言うつもりも無いし、「めちゃくちゃ泣けた」なんて嘘をつくつもりもないのだが、83%というのはちょっとブチ上げすぎではなかろうか。私の周りからすすり泣く声は聞こえなかった。
それはさておき、私は韓国映画嫌いである。嫌いというよりも、登場人物の区別がつきづらいので、映画自体が楽しめないのである。そう感じた発端が「シュリ」である。あの映画は主人公が地味すぎるし、ヒロインも地味。主人公の友人も地味なので誰が誰だかわからなくなるという状況になり、結局よく意味のわからないまま映画が終わってしまったという経験をした。それがトラウマとなって韓国映画が苦手になっていた。その後、「冬のソナタ」でというビジュアル的個性が存在したことで誰が誰かわからないという状況がなくなり、韓国製作の映像作品に対する見方が変わった。それでも本作の登場人物は地味である。が、主要登場人物が2人しかいないのでわかりにくいということは無かった。
本作は映画としてみると非常に安っぽく、内容も薄っぺらい。特に彼が風になっちゃった後の展開は彼が風になっちゃった原因が原因だけにどうしても冷めた目で見てしまうため、余計に内容が薄っぺらく感じる。しかしながら、彼が風になる前の展開はライトコメディとしての面白さが存在し、私は後半のクライマックスよりも、前半の「バリバリの警官である彼女のトラブルに巻き込まれる一般人の彼氏」というテーマのコメディドラマを評価したい。むしろ前半部分を強化して、最終2話くらいで彼氏が風になる展開にしたドラマ全11話とかでやってもらったほうが幾分か楽しめると思う。
ドラマの方が良いと考える理由はもう一つあって、本作の前半部分は非常にテンポが早く、また魅力的なバカップルエピソードやトラブルエピソードが豊富にあって、それぞれのエピソードをじっくり描いたほうが面白いと思ったからである。映画化して、2時間程度という枠に収めようとしたために魅力的なエピソードが断続的に流れていくのはもったいない。
結論から言って、本作を見る限り韓国映画はまだ成熟しきっていない。しかし、決して悪くは無いので、今後どんどん洗練し、エンターテインメントに徹することが出来れば、もっともっと良い作品が出てくるはずである。これは、今の段階で「ハリウッドを超えた」とか「83%が泣いた」とか言っているようでは成長の妨げになってダメだということも意味する。味皇風に言えば、「精進せいよ」というところだろうか。何様のつもりだ俺。