や16ぁ

やる気なんて初めから無かったんだなぁ

太閤立志伝II

これは非常にヤバいゲームだ。何がヤバいって時間を忘れるほどプレイし続けてしまうくらい中毒性が高いゲームだからだ。現に発売から10年近いのに未だにプレイしている。
前半は大名の家臣として与えられた任務をこなしたり、暇を見つけて自らを高めたりするのだが、与えられた任務はどれをとってもプレイヤーの工夫を要求され、工夫しないと上司に認められないという厳しさ。暇を見つけて自分を高めようとしても、毎月初めに評定があるためにそれほど時間が取れるわけではないし、同僚に師事しても、手土産が必要なのでカネがかかる。しかし下っ端だからカネがあまりない。しかも殿様が戦を始めたらついて行くことになるため、予定が全てパーになる。戦場で手柄を立てればよいのだが、下っ端に活躍の場はなく、ただ戦を眺めるばかり。という下っ端ゆえの制約についてのバランス感覚が芸術的ですらある。見事としか言いようがない。
このゲームで一番充実した状況を楽しめるのは家臣でありながら城持ちの状態のときであろう。月の評定に縛られることがないのでかなり自由に行動できる反面、与えられる城の規模が決して大きくないので、下手に大きな城を攻め落とさなければならない任務のときはあらゆる手を駆使しなければならない。その辺の難易度のつけ方が見事で、この作品を名作にしていると思う。
ただし、一度に登場する武将の数が限られているため、年が経ってから登場する武将を登場させるためには、有る程度武将を殺していかなければならない点がちょっと引っかかるところか。あと、結構バグがあって、城守備兵が武将扱いになったり、謎の武将が突然家督を継いだりすることがあり、そこの城には攻め込めなくなるという致命的なバグがあったりするが、全体の完成度から見たら大した問題ではないだろう。
この後のコーエーの作品でも太閤立志伝シリーズのテイストを持った作品が登場するが、完成度としては本作には及ばない。歴史ものは敷居が高いと感じる人もいるだろうが、本作は結構ゲーム内でもやさしく任務のこなし方を教えてくれるので苦労はしないだろう。だからといって、ふざけすぎるほど茶化した雰囲気でもなく、戦国武将も人の子だなぁという妙な親しみを持たせるゲームのような気がしないでもない。
オススメはPC9801版かDOS/V版なのだが、今では入手困難だと思うので、他機種でも良いと思う。ただし、ポリゴン藤吉郎という踏み絵が用意されているが。